2009年9月13日

9/13 Camp4入

Camp4入り Camp4入(2)

いよいよ来ました。

SFOには12日昼前に着いたんだけど、Berkeleyにも立ち寄ったし、今回は運転するのが思いのほか大変で(交代しても眠い!)バレー直前のBuck Meadowsで力尽きてモーテルに泊まることにした(バレーに行っても露天寝だからね)。朝いちで出てCamp4の列に並ぶ。

M川さんと合流して、ふもと街Oakhurstに行き、Vons、タコベル、スポーツショップの定番3本立て。パワーバーが売ってないので後日Village Storeで物色することにしてバレーへ戻る。

道すがらエルキャップメドー&取り付きへ行き、改めてルートの様子と、混雑加減を見る。サラテ、ノーズともにすでにフィックスがあり、今のところ条件は同じなので、ノーズに決定。

ビレッジストアに寄って残りの買い物して帰幕。明日ゾディアックにフィックス張りに行くK&Kパーティ、スコーミッシュから来たY君&A君と飲む。

今年のレンタカーはどこのかよくわからない赤い車 M川さん「あれがノーズ」 後ろ姿O山さん

2009年9月14日

9/14 準備1 ギア編

ギアわけ

昼過ぎまでゆっくり寝られるのも今日とあさってなので昼過ぎまでのんびりごろごろする。

3人揃ってギアを揃えて分ける。ホールバックにダックテープ貼る(ストアに売ってたテープがダック印だった。商品名?みんなダクトテープって言ってるからそっちが固有名詞なのかな)ペットボトルにも貼る。

ペットボトルは、心配性なO山さんの手配で大量に手に入れ、わざわざ日本から手分けして持って来た2リッター×15本。

1日3人で8リッターの計算で、4本×4で16本なんだけど、2人の過去の経験(ゾディアック)から、水は上に行けばそんなに必要なくなるらしく、捨てて帰る人も多いとのことで、キリよく1人5本づつで15本。(まあ、これが最初の計算間違いではあったんだけどね)

あとは、キャメ3セット、エイリアン2セット、TCU、ハイブリットエイリアン、ナッツ、フック類。ハンマーも念のため2。単ビナ、環付きビナ、ヌンチャク、捨てスリング類。荷上げ用スタティックロープ1、メインロープ2。うんこバッグ。ツェルト。食料。+各自個人ギアとお泊まり用具、ディッセント用ザックをホールバッグ2個に分けてホーリングすることになる。これは、重いのか???ま、決して軽くはない。

明日はフィックス工作。シックルレッジまで4ピッチ。

ビジターセンタに行って天気を見る。ゴーアップはだいじょうぶそう。

ストアに寄ってビールとワインを買う。ロッジもよってwifiを試すが拾ったパスワードメモではログイン出来ずヌカ喜び。怖いけど、ローミング。

明日は4時6時。就寝直前O山さんに「がんばれよ」と言われる。やっぱ、私次第ですか。そうですね。

んじゃねー

9/14 準備2 食料編

食料

食べ物。缶詰め主食+フルーツ3泊ぶん。
行動食はクリフバー系。紙袋イン。

このフルーツ缶が、今回の(唯一?)素晴らしい癒しになろうとは!このときは気付かなかった。

2009年9月15日

9/15 フィックス4ピッチ

4P

アプローチ M川
1P M川
2P O山
3P M川
4P O山
婆の出番は無し。写真は4P目。

っつうか、取付きまでのホールバッグの重さ、何よ。やさしいO師匠「大丈夫?今まで経験したことない重さじゃない?」というセリフにも「30キロくらいまでなら背負ったことあるし★大丈夫だよ!」なんて最初は言ってたけど、「30キロまで」どころじゃない重さだった。マジ(どっちが)吐くかと思った。おえー。

で、後から日本語が少しだけしゃべれるイギリス人のアレックスとお友達2人パーティが登ってきた。空身だから、シックルレッジまで登りに来たフリークライマかなとも思ったんだけど、なんか「あんたらもノーズ(登るの)?オー!ノーズ!!ウぎゃー!!」とか騒いでたから、きっと仲間だわね(つれなくてごめんねアレックスのお友達)。私たちは冷静に荷上げしながらシックルレッジまで登って、フィックスして懸垂。トポには60m3本でオッケーと書いてあった。うそじゃないけど、不親切dayo。結び目通過懸垂(O山さんだけ)。
取付き IMGP0090.JPG O山さん

2009年9月16日

9/16 レスト

ゆっくり寝坊して、ハウスキーピング行って洗濯と昨日行けなかったシャワー。洗濯待つ間にトポと日本から持って来たよその人の記録のコピーを改めてじっくり読む。

フィックス60m3本とトポには書いてあるけど、実際は4本のパーティーが2組。この辺は後日詳しく(書くかもしれない)ストアであった保杉野先生に文句言ったら「そうだよ」としれっとかわされた(^^)。

洗濯から戻るとKKパーティが戻って来る。ゾディアックGo up したけど、すごい順番待ちで進めずフィックスだけしてきて、明日仕切り直すとのこと。やっぱこの子たちは凄い。私も見習わないと!

いまのところノーズは昨日一緒だったニッポン好きのイギリス人アレックス&友達の2人パーティのみだね。よかった。しかも彼らはフィックスだけだったみたいだから、明日は荷上げもあって、きっとわたしたちのほうが早いでしょう。ずっと一緒に登るコトになるでしょうけどねっ!

NotesていうかCaution! : 今年もキャンプ4に「おじさんおばさん元気ですかおじさん」が戻って来たよ!(また見つかっちゃった)(#5)遊んであげてね>明日来る方々

2009年9月17日

The nose Go up! 1日目 9/17:9P目でハンギングbivy

シックルレッジにユマーリング フィックスを登る 5P目 6P目 5Pホーリングが大変 / 6Pまだ重いのでフォローするのも一苦労

3:00起床
5:15Camp4
6:30Start

いよいよGo up。これであと4日は地上へ帰れないぞ(by O山)これから何日もエルキャプの壁の中に居られるんだ★はあと(by 婆)^^今日の予定はドルトタワー。

フィックスを登ってみるとすでにアレックス&トーマス(仮名)が朝食の用意をしていた。シックルレッジに前泊していたようだ。若そうなのでとっとと先に行くかと思いきや、いきなり最初の2Pぶん都合4時間ほど思いっきり待たされる羽目になってしまった。むーん。

5P 婆
6P M川

ここで、アレックスはフリーラインを使って1Pとばす大トラバースをする。少し間があいたので、ほっとはしたが、度重なるトラバースと重いホールバッグ、慣れないシステム。こちらのペースも上がらない。

stoveleg Crack

7P O山
8P M川 stoveleg Crack
9P O山

ドルトタワーまであと2Pというところで、日没。初日からヘッデン作業になった。しかも、外傾した僅かなスペースに3人挟まってハンギングビバーク。それでも出だしのアレックス&トーマス(仮名)待ちがなければドルトタワーまで行けたんじゃないかと話しながら、口にはしないけど初日にこれじゃあ、ひょっとしたら3日どころか、4日でも無理かもーなんて気配が漂いつつ、ハンギングで腰いてー、といいながら、iPhoneでブログにアップ。

2009年9月18日

Go up 2日目 9/18:9P → Dolt Tower → El cap Tower

ハンギングbivy明け 1 ハンギングbivy明け 2 ハンギングbivy明け 3

寝たのか寝てないのかよくわからないbivyも明け、今日は昨日の遅れを取り戻して Camp IV、せめてその手前まで稼ぎたいところ。

薄ら寒い夜明け以降、日が当たってくると一気に灼熱の真夏に変化する。すごく暑い。乾燥しているので、汗がべたつくうっとうしさはないが、O山さんも、M川さんももうすでに日焼けで真っ黒だ。Dolt Tower に出たところで、あまりの暑さに1枚シャツを脱ぐ(ってブラトップ。他に人がいないからいいや、みたいな…。首だけ真っ黒になるのが嫌だったんだもん)かえって暑いかもしれない。

今日も思うようにピッチが進まず、El cap Towerで bivy。私は荷物の整理と夕ご飯(とはいえ缶詰めだけど)の用意、O山さんはもう1Pフィックスをはりに登り、M川さんはビレーをする。このままでは1泊オーバーになる可能性がいよいよ強くなってきた。それでもEl cap Tower は唯一横になって寝られた広々としたいいテラスだったので、気も体も休まった。

10 M川
11 O山 Dolt Tower
12 O山
13 M川
14 婆 El cap Tower
15 テキサスフレーク O山

やっとついた Dolt Tower ここまで来れていれば快適なbivyだったでしょうね。
Dolt Tower Dolt Tower 12P ドルトタワーから下降気味にトラバースするので、しばらくプロテクションがとれない 12P エルキャップメドーもだんだん小さくなってきた / 唯一横になれた El cap Tower エルキャップメドーもだんだん小さく エルキャップタワー。唯一横になって寝られたbivy

2009年9月19日

Go up 3日目 9/19:El Cap Tower→Texas Flake→boot Flake→King Swing→Camp IV

テキサスフレークからエルキャップタワーのテラスを見下ろす(左)このチムニーを登ってきた(右)
テキサスフレークからエルキャップタワーのテラスを見下ろす。 テキサスフレーク。このチムニーを登ってきた

15 O山 テキサスフレーク(昨日のフィックス)
16・17 M川 キングスイング
18・19・20 O山 直上してトラバース

テキサスフレークは、最近私が大好きなバックアンドフットのチムニーだった。あー★登りたかったなあ。そのさきブーツフレークまでのボルトラダーも登りたかった。しょうがないね。もちろん、キングスイングだって、すげーやりたかった。ああもうじれったいねえ(江戸っ子または噺家風に言う)ま、スピード勝負だからしょうがないね!次回のパートナーは永遠に募集中だよっ!

ブーツフレークまでのボルトラダー(左)ブーツフレーク。実際はこんなにでかい(右)
テキサスフレーク〜ブーツフレークのボルトラダー ブーツフレーク

The Nose メインイベントその1キングスイング。20mの振り子トラバース。動画とってみた。2番目の動画をみると成功してそうだが、じつはまだしばらくかかった。(youtubeで検索すると、いろんなキングスイングがあっておもしろいよ)

本日このあと3P登って、暗くなってからCamp4に到着。アレックスとトーマス(仮名)に割り込んで、座りbivyとなった(初日より悪かったわ!!)

頂上まであと11p。

2009年9月20日

Go up 4日目 9/20:Camp IV→Great Roof→Pancake Flake→CampV

もうこんなに高い。 素晴らしいグレードルーフ。最後の1歩が完全フリーになるので恐ろしい。 greatroof greatroof
Pancake Flake パンケーキフレーク。登りたかったなー^^

21P M川
22P Great Roof O山
23P Pancake Flake M川
24P O山 → CampV

アレックス&トーマス(仮名)より早く起きて取付くつもりだったが、彼らもそうは抜かさせてれない。さきに出られてしまった。結局グレートルーフ待ち4時間でまた予定がかなり押してしまう。
ほんとうはCamp VIまで行っておかないとキツイんだけど、まあ頑張るしかないです。

ヘッドウォール部分に入り、ルートはまっすぐのび、壁も立ってきて素晴らしい景観。ああ、ここまで来れて幸せ。。。などとリード&荷上げ、クリーニングのお仕事をしてない私はのん気なもんだ。

2009年9月21日

Go up 5日目 9/21:Camp V→Glowering Spot→Changing Corners→終了点→ヨセミテフォール

何があっても今日中に登りきらなければ。水も残り少なくなってきた。ディッセント分を考慮しておとといから、朝2リッターを3人で分け、午後1.5リッターを3人でわける生活。ひとくちづつ噛むようにして飲む。なるべく口で呼吸をしないようにしても、のどの奥までカラカラになる。そのせいかM川さんはしきりにせき込んでいる。特にヘッドウォールにかかるあたりから風が強く、何もしなくても水分を奪われてしまう。エルキャップタワーで、ちぎったベーグルがあっという間にかちかちに乾燥したのには非常におどろいた。想像を絶する乾燥状態のなかでクライミングしているのだ。夜になってもカラカラのまま。日本では絶対に考えられない。

26P Glowering Spot O山(左) 27P Changing Corners M川(右) 26P O山 27P Changing Corners M川 すごい早さでチェンジングコーナーを登ってくるベルギー君 すごい早さでチェンジングコーナーを登ってくるベルギー君(上)
カシードラルがもうすっかり低い(左) 28P O山(右)
右からローワーカシードラル、ミドルカシードラル、ちっさいのがハイヤーカシードラル。すっかり低い。 28P O山 29P M川 最終ピッチ(31P 婆)が終わったころ。18時くらい。 29P M川(左) 最終ピッチ(31P 婆)が終わったころ。18時くらい(右)
終了点にて。ベルギーチームに撮ってもらった。(下)
終了点にて。ベルギーチームに撮ってもらった。 25P Glowering Spot M川
26P O山
27P Changing Corners M川
28P O山
29P M川
30P O山
31P 婆 18時に終了点到着

終了点にフィックスして、最後の荷上げ。セカンドで登ってきたO山さんがさらに平らなところまでピッチを進める。最後の薮こぎ荷上げをもう1回したあと、荷をとく。あーーお疲れさまでした!!ホールバックひっくり返してディッセントの用意も含め小1時間GDGD。後続で登ってきたベルギー君たちが写真を撮ってくれというので、ついでに撮ってもらう。

→El capitan 山頂22時
山頂では、数パーティーたき火をして宴会していた。ベルギー君たちはそっちの仲間に吸い込まれて行った。私らも泊まるかどうか迷うが、すでに1日遅れなので無理してでも降りることにする。

→Yosemite fall 24時 仮眠。
とはいえ、あまりの眠さに、仮眠してから朝一番で降りたほうが安全かも、ってことで、道端で寝ることにする。レンジャーに見つかりませんように!

2009年9月22日

9/22 Yosemite fall→Camp4→Bishop

寒くて目が覚めた。日中の強烈な日差しで暖められた一枚岩は、夜遅くまで保温が効いていたからね。とくにYosemite fallの分岐は風通しもいいからなのか、久々の寒さだった。そそくさとCamp4までのざらざら道を下る。

 Camp4ボルダー群が見えて到着した時は、緊張がとけて涙腺が緩んできてしまった。本当の意味で、改めて3人で握手する。お疲れさまでした〜!!


おしまい。

追記:ゾディアックの2人も、完登してました。おめでとー!!
朝ご飯のしたくしてた「おじさんおばさん元気ですかおじさん」に「ノーズ登ってきたんだよー」って言ったらふっとマジメな顔になって「おー!グッジョブ!」ってほめてれた^^おじさん、また来年!